【tegos本部だより~第5回専任者研修会(後期)~】動画をYouTubeのtegosチャンネルにアップしました。
今回は集落で鳥獣害対策の状況を点検する実習を行いました。
すでに現場に出ているフィールドアドバイザー達ですが、
実際に現地で点検することで知識の抜けや漏れを確認し、より技術を向上できる研修になりました。
また、緩衝帯整備についても学びました。
【tegos本部だより~第5回専任者研修会(後期)~】
集落点検実習
現地で実状を点検
実際に集落で観察をします!
野生動物が侵入した痕跡や
隠れ場所になりそうな竹林や藪、
餌になりそうな野菜くずが放置されていないか・・・
注意するポイントはたくさんあります!
気が付いたところを地図に書き込みます
イノシシの掘り返しあと
実が収穫されずに放置状態のカキの木
効果のない防護柵などがありました
対策の努力をされているのに
集落内に動物にとって魅力的な餌があり、
防護柵も簡単に迂回することができる配置になってしまっていることがわかりました
点検した内容をマップに落とし込む
マップに落としこむことで、
防護柵や餌場、隠れ場を俯瞰でき、野生動物の行動をイメージできるようになります
相手の行動をイメージせずに対策しても効果が出ず、
対策をあきらめてしまう原因になるので
地図に落とし込むのは面倒ですが、とても大切ですね!!
緩衝帯整備について
研修後半は緩衝帯整備について学びました
緩衝帯とは
緩衝帯とは・・・
人が住んでいて農作業を行っている場所(集落)と
野生動物が住んでいる場所(山林)には程度の差はあっても、
境があります
集落と山林がぴったり接していると現在問題になっている
鳥獣害が起こりやすくなります
そこで、集落と山林との間につくる「何もない空間」のことです
野生動物はもともとは警戒心があります
彼らにとっての餌場(集落)の近くに
自分の姿を隠せる藪や茂った山林などがあると
見つかったときの隠れ場所が確保できているという安心感で
集落に近づきやすくなります
その隠れ場所がない「緩衝帯」には
野生動物の出没を抑える効果があります
緩衝帯の実例
鳥獣被害が生じていた地域での里山林整備 (尾道市 左:整備前,右:整備後) | |
下の写真は緩衝帯整備の前後の写真です
左側の写真にははうっそうと茂った竹林があり、野生動物が隠れ放題ですね
これは、野生動物にとって安心安全な環境です
集落に行って何か食べて、見つかってもすぐに隠れ場所に戻ってしまえばいいのですから
右は緩衝帯整備を行った後の写真です
竹林から集落に近づく前に裸になった土地があります
野生動物にとって、この「身を隠すものが何もない場所」を通るのはかなり勇気が要ります
その不安感が集落への侵入のハードルになるのです